注文住宅のキャットステップで後悔しない間取りのコツと注意点

注文住宅のキャットステップで後悔しない間取りのコツと注意点

「愛猫が快適に過ごせる家づくりをしたいけれど、何から始めればいいかわからない」とお悩みではありませんか。特に、猫の運動不足解消やストレス軽減に役立つ「キャットステップ」の設置は、多くの飼い主が関心を寄せるテーマです。

しかし、ただ壁に板を取り付ければよいというわけではありません。適切な間取りや寸法を考慮せずに設置すると、猫が使ってくれなかったり、思わぬ怪我につながることもあります。本記事では、注文住宅におけるキャットステップ設計の基本から、失敗しないための注意点、そして猫が健康に長生きできる住環境づくりのポイントまで、詳しくお伝えします。

免責事項:本記事に記載されている住宅の性能数値、工法、法規制、および補助金に関する情報は、執筆時点(2026年6月)のデータに基づいています。各家庭の条件や最新の制度詳細については、専門家にご確認ください。

注文住宅のキャットステップとは壁に設けた段々違いの足場のこと

ペットの家族化が進む中、人とペットがどちらもストレスなく暮らせる住まいづくりが必要です。特に猫は、環境省の基準でも、病気の感染や思わぬ事故を防ぐために室内で飼うことが推奨されています。

この室内環境の整備において、機能的な役割を担う設備が「キャットステップ」です。キャットステップとは、住宅の壁面等に対して段々違いに設置された、猫が垂直方向に跳び乗るための独立した足場のことです。高いところに登るのが好きな猫にとって、お部屋の中に立体的な環境をつくることは、本能的な欲求を満たすために大切です。

コウヨウの設計基準においては、猫の立体的な動線をつくる際、設備を分けてご提案しています。壁に段々違いで取り付けられた飛び乗るための小さな足場を「キャットステップ」、壁の高い位置や天井付近に設置された横に長い板状の通り道を「キャットウォーク」と定義し、目的に応じて提案しています。

キャットウォークとの違いは通り道か飛び乗る足場かの目的

キャットステップとキャットウォークは、設置する目的や猫の動きに合わせて、次のような違いがあります。

【名称】キャットステップ

構造的な特徴:
壁面に段違いで複数設置される独立した足場

設置目的と対応する行動:
上下方向への跳躍、上下の移動、高い場所へ登るルート

【名称】キャットウォーク

構造的な特徴:
壁面や天井付近に水平に連続して渡された板状の通路

設置目的と対応する行動:
高所での水平移動、テリトリーの巡回、安全な休息

水平移動と垂直移動を分けて、空間設計にうまく取り入れることで、登登る欲求と高所から見下ろす欲求のどちらも満たせる環境がつくれます。

出典)家庭動物等の飼養及び保管に関する基準

注文住宅にキャットステップを設置して猫の運動不足を解消する

室内飼育の猫で心配なことの一つが、運動不足による肥満や、それが原因でかかる病気です。

上下運動を促すことで室内飼いの猫のストレスを軽減できる

猫は狩猟動物としての本能から、高い場所に登って周囲を見渡す習性があります。日常的に外へ散歩に出かけることがない猫にとって、室内で運動できるようにする工夫は大きな課題です。

平面的な床面積を広げるだけでなく、壁面にキャットステップを配置し、ジャンプや着地といった上下運動を普段の生活のなかに組み込むことは、筋力の維持や体重管理に役立ちます。高いところに登りたいという欲求が満たされることで、不適切な場所での爪とぎなど、ストレスを減らすことにつながります。

来客時などに猫が避難できる安全で高い居場所を確保できる

猫は縄張り意識を強く持つ動物であり、環境の変化に対して敏感に反応します。予期せぬ来客や掃除機などの突発的な騒音に対し、警戒心を抱くことがあります。

このような時、猫は本能的に物理的に手が届かない高い場所を安全な空間として認識します。キャットステップから登れる高い場所をつくっておくと、猫が自分から怖いものから離れて、気持ちを落ち着かせるための避難場所になります。

出典)住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン

注文住宅のキャットステップ設計で後悔しないための注意点と対策

キャットステップの導入において、人間の生活空間における美観のみを優先した場合、設置後に猫が利用しなかったり、落下事故が発生したりする恐れがあります。継続的に利用される設備とするためには、具体的な対策を取り入れることが大切です。

猫の年齢や体格に合わせた適切な段差と滑りにくい素材を選ぶ

猫のジャンプ力やからだの強さは、年齢や体格で変わります。そのため、ステップの段差や広さは、猫に合わせてあげる必要があります。

若猫・成猫(標準体型)
  • 段差20cm〜30cm程度
  • 踏み板奥行き25cm以上

高い跳躍力を持つため標準的な段差で対応できますが、着地時の滑り止め対策は必須です。

老猫(シニア猫)
  • 段差15cm〜20cm以下
  • スロープの併用検討

筋力低下や関節炎のリスクを考えて、着地するときの衝撃を抑えるゆるやかな設計が必要です。

大型種・短足種
  • 踏み板の強度向上
  • 段差の縮小

大型種は体重によって壊れてしまう心配があり、短足種は跳躍力が劣るため段差への配慮が必要です。

建材の表面仕上げも重要です。一般的な住宅用フローリングや、コーティングが施された木材を流用した場合、跳び乗った際に足が滑る恐れがあります。ステップ表面に溝を掘る加工や、コルク材の圧着、ペット専用のカーペット生地を貼り付けるなどの滑り止め対策が必要です。

途中で行き止まりにならない回遊性のあるルートを設計する

複数の猫と暮らす家では、ステップの動線設計は猫同士がぶつからないように工夫することが大切です。

動線の途中に行き止まりがある設計にした場合、縄張り意識の強い猫がルート上に居座ると、他の猫が逃げ場を失います。結果として、無理な跳躍による転落などのトラブルにつながる恐れがあります。

これを防ぐには、ステップの昇降ルートを部屋の複数箇所に設け、壁面を一周して元の床に戻すことができる回遊性のあるルートを設計する方法があります。同時に、キャットウォークの途中に他の猫とすれ違うことができる十分な幅のスペースを設けることで、接触トラブルを未然に防ぐ手助けとなります。

飼い主の手が届く高さに設定し掃除やお手入れを容易にする

見落とされがちな要素が、飼い主側のメンテナンス性と衛生管理の容易さです。猫は高所で休息する際にも抜け毛を落とし、毛玉などを嘔吐することがあります。

環境省が定める基準においても、所有者は飼養施設を清潔に保つ必要があります。もし設備が、脚立を用いても手が届かない高さに設定されている場合、日常的な清掃が困難になります。堆積した汚れは住環境の衛生状態を悪化させます。したがって、設備の設置高さは、一般的な家庭用脚立を使用して飼い主が安全に手を伸ばし、拭き掃除や猫の救出作業が容易に行える範囲に制限して設計することが望ましいです。

出典)家庭動物等の飼養及び保管に関する基準

キャットステップだけでなく猫が健康に暮らせる室内環境の作り方

立体的な移動設備の構築は、運動機能へのアプローチに留まります。猫が健康に暮らせる住環境を根本から整備するには、設備単体の導入だけでなく、住宅全体の気密性・断熱性を高め、温熱環境と空気環境を総合的に制御することが大切です。

コウヨウが提供する注文住宅では、「高気密・高断熱・省エネ・耐震」を住まいづくりの強みとしています。地震に強い「耐震等級3」の確かな構造をはじめ、「「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」9年連続受賞」に裏付けられた高い省エネ性能を備えています。

具体的には、平均C値約0.30、平均UA値約0.36という高水準の基本性能により、屋外の気温変化の影響を大きく遮断し、わずかな空調エネルギーで家全体の温度と湿度を均一に保ちます。冬場の床付近の底冷えや、部屋間を移動する際の急激な温度変化によるヒートショックを防ぐことができます。高い気密性・断熱性だからこそ、温度のムラがなくペットが健やかに長生きできる家づくりを大切にしています。

高気密・高断熱の家づくりで猫の推奨温度と湿度を一定に保つ

犬と猫は適切な温度と湿度が異なります。猫の平熱は約38℃であり、体温が40℃を超えると危険な状態に達します。人間とは異なり、猫は全身から汗をかいて体温を調節する能力を持ちません。

猫にとっての推奨温度は20〜28℃、推奨湿度は50〜60%です。湿度が高い状態では、パンティング(あえぎ呼吸)による冷却効果が低下し、体温調整が難しくなります。そのため、室温だけでなく湿度をコントロールすることがとても大切です。

高気密・高断熱の家づくりであれば、外気の熱気や湿気の侵入を遮断し、推奨温度と湿度を家全体で一定に維持しやすくなります。

標準搭載されている太陽光発電システムを活用したシミュレーションをご紹介します。日中の日照時間帯(季節や天候によりますが、概ね6〜8時間程度)のエアコン稼働電力を自家消費で賄えた場合、その時間帯の電気代は実質ゼロになります。さらに、ご家庭で使いきれずに余った電気は、国の制度(固定価格買取制度)を利用して電力会社に買い取ってもらうことも可能です。

出典)動物の適正な飼養管理方法等について

計画的な換気システムを取り入れてペット特有のニオイを防ぐ

住宅の気密性が高まることは、室内の空気が外部へ逃げにくくなることを意味するため、適切な換気計画が伴わなければ空気環境に影響を与えます。

空気環境の改善策として、給気と排気の両方を機械の動力で行う第一種換気システムの導入が有効です。第一種換気を採用することで、家全体の空気が計画的に循環します。猫のトイレ周辺で発生するニオイや、空気中に浮遊する微細な抜け毛が長期間滞留することを防ぎ、クリーンな空気環境を維持することが期待できます。

引っかき傷に強くニオイをバリアする専用クロスを採用する

猫との暮らしにおいて、内装材の選定は美観の維持に関わります。猫が行う爪とぎは、古い爪の表面を剥がす目的や、縄張りを主張するための本能的な行動です。

この行動を完全に抑止することは難しいため、猫が爪をとぐ可能性がある高さに対して、傷に強い建材を導入する対策があります。私たちコウヨウでは、内装のオプションとしてサンゲツの「スーパー耐久性クロス(ペット対応)」などの専用建材の採用実績を有しています。これらの専用クロスは表面の物理的強度が高く、傷や破れを防ぎます。同時に防臭効果が付与されており、汚れ落ちを向上させる機能を持つため、人も猫も互いに清潔な環境を保つための方法の一つです。

キャットステップの適切な配置から、高気密・高断熱性能による健康的な温熱環境を叶えるまで。

機能美あふれる居心地のいい空間と住宅性能を両立させ、愛猫との暮らしを叶えた具体的な施工事例を多数掲載した資料をご用意しています。性能へのこだわりについて、ぜひお気軽にご請求・ご来場予約ください。

注文住宅のキャットステップに関するよくある質問に回答

吹き抜け空間を利用したキャットステップの設置は可能ですか?

A.

可能です。1階から2階へと縦の空間を繋ぐ吹き抜けは、高低差を好む猫の上下運動を促すためのキャットステップおよびキャットウォークの設置場所として適しています。日当たりの良い吹き抜け部分に経路を作ることで、猫は室内の広範囲を見渡しながら休息できます。

コウヨウの実際の施工事例においても、吹き抜けの空間特性を活用し、1階のリビング空間からキャットステップを開始し、吹き抜け部分を回り込むようにして2階へと自然に繋がる立体的な設計アイデアがあります。ただし、落下時の高低差が大きくなるため、踏み板の滑り止め加工の徹底や、飼い主が清掃できる空間設計が通常以上に必要です。

新築時にキャットステップを造作する費用の目安はいくらですか?

A.

注文住宅の新築時にキャットステップを現場で造作する場合の費用は、採用する木材の材質、設置する段数、および壁面内部の下地補強工事の規模によって変わります。以下がそれぞれの目安です。

ステップ単体費用
1段あたり 7,000円〜25,000円程度
(材料費および施工費を含む)
壁面下地補強費
1面あたり 20,000円〜40,000円程度
(固定するための構造用合板を張る費用)
総額目安
約90,000円〜200,000円程度
(5〜6段のステップと、長さ2m程度のウォークを組み合わせた場合)

新築時の造作工事は初期費用が発生するものの、家づくづのなかで壁の内側に(または「建築の段階で」)強固な下地材をあらかじめ仕込むことができる構造的な利点があります。これにより、猫が跳び乗った際の壁面の破損や、ステップ本体が外れてしまうリスクを大きく下げ、長期的な安全性を高めることができます。

猫の生態に詳しい担当者に家づくりの相談をすることはできますか?

A.

ペットとの共生を前提とした住宅設計は、一般的な建築士の知識領域だけでなく、動物の生理や行動に基づく知見が必要となります。また、客観的かつ専門的な資格を有する担当者に相談するという基準を持つことが大切です。

コウヨウには、ペットの飼養環境や生理生態に関する知識を習得した「愛玩動物飼育管理士」の資格を持つスタッフが在籍していますので、是非ご相談下さい。

松山市、今治市、四国中央市、西条市、新居浜市の5つの市を重点的なエリアとしています。伊予市、東温市、上浮穴郡久万高原町、伊予郡松前町、伊予郡砥部町、宇和島市、八幡浜市、大洲市、西予市、喜多郡内子町、西宇和郡伊方町、香川県観音寺市、香川県三豊市、徳島県三好市も施工エリアとなっております。※その他エリアはご相談下さい。