愛媛の住宅【結露・カビ対策】に最適な換気システムの種類とおすすめの選び方

愛媛の住宅【結露・カビ対策】に最適な換気システムの種類とおすすめの選び方

愛媛の湿度の高い気候の中で、住宅の結露やカビに長年悩まされている方は少なくありません。また、これから新築やリフォームをお考えの方にとって、高気密・高断熱住宅の性能を最大限に活かす換気システムの選定は、最も重要な課題の一つです。

この記事では、愛媛の住宅で結露やカビが発生する根本的な原因から、建築基準法で定められた換気の基本、そして皆様の暮らしに「最適解」となる換気システムの種類と具体的な選び方まで、専門的な視点から詳しくひも解いていきます。

なぜ換気システムが重要なのか、どの種類(第一種・第三種)が愛媛の気候に適しているのか、そして信頼できる業者をどう見極めればよいのか。この記事が、皆様の健康で快適な「くらしを謳歌する」(※)家づくりのお役に立てれば幸いです。

(※「くらしを謳歌する」は、私たち コウヨウ が掲げる企業理念です。)

免責事項

本記事で提供する情報は、2025年11月時点で信頼できると判断した公的機関や専門機関の情報を参照して作成されています。

しかし、住宅の具体的な状況、建築年、仕様、または将来的な法改正により、最適な対策や補助金制度の適用条件が異なる場合があります。

個別の住宅に関する最終的な判断や施工の依頼については、必ず 私たち コウヨウをはじめ、専門知識を有する施工業者にご相談いただき、現地調査に基づいた診断と提案を受けてください。

愛媛の住宅で結露・カビが発生する主な原因と換気システムの重要性

冬場の窓ガラスにびっしりと付く水滴や、押し入れの奥に潜むカビ。愛媛の住宅でこうした結露・カビの問題が起こる背景には、地域の気候特性と、現代の住宅構造が密接に関わっています。

愛媛特有の気候(湿度・気温差)が結露を引き起こすメカニズム

愛媛の家づくりにおいて、「湿気対策」は非常に重要なテーマです。 私たち地元の建築に携わる者にとっても、この気候特性への対応は常に重要な課題です。

愛媛の気候は湿度が高くなる傾向があり、この 多湿な空気が、結露・カビの根本的な原因 となります。

例えば、珪藻土や無垢材といった吸放湿性に優れた自然素材を使うことは、室内の空気を安定させるための一つの有効な手段です。

出典)愛媛の気候と暮らす家づくり|快適性と断熱性を両立する設計のポイント

しかし、こうした素材の持つパッシブ(受動的)な調湿機能だけでは、現代の住宅で発生する室内の湿気を完全には処理しきれない場面が増えています。地域の気候特性(多湿)は、快適な室内環境を保つために、次に述べる機械的な換気計画の必要性を高める第一の要因となっています。

近年の高気密住宅が招く「換気不足」とカビの健康被害リスク

私たちコウヨウがご提案しているような近年の高性能住宅は、「高気密・高断熱」であることが標準です。

この性能は、冷暖房の効率を最大限に高め、一年を通じて快適な室温を保つために不可欠です。しかしその一方で、構造的に「換気不足」を招きやすいという側面も持っています。

高い気密性は、隙間風による熱の逃げを防ぎますが、同時に室内の湿気や汚染物質も外に排出しにくくします。特に高気密住宅では、人間の呼吸や汗、料理、お風呂、室内干しなど、日常生活から発生し続ける湿気が室内に蓄積されがちです。

この「換気・通気の不足」こそが、壁の内部や床下など、目に見えない場所で発生する「夏型結露」の主な原因の一つであると指摘されています。

出典)夏型結露とは?原因と防止策・放置によるリスクを徹底解説 …

そして、この結露がカビの温床となります。カビの問題は、見た目の不快感だけでなく、 居住者の健康に深刻な被害 を及ぼす可能性があります。

厚生労働省は、カビ(真菌)やダニが喘息の悪化やアレルギーの原因となる可能性を指摘しています。特にカビの胞子を大量に吸い込むことによるアレルギー反応は、初期症状が風邪と似ていますが、治療が遅れると危険な状態に進行する可能性もあるため、「室内のカビを減らすこと」が重要であると警告されています。

出典)応急仮設住宅生活における真菌(カビ)及びダニ対策 … – 厚生労働省

さらに、高気密化による換気不足は、化学物質による シックハウス症候群のリスク も高めます。これこそが、2003年に建築基準法で24時間換気が義務化された主な理由(シックハウス対策)です。

出典)鎌倉市/改正建築基準法に基づくシックハウス対策について

換気が不十分な空間では、ウイルスなどを含む微細な粒子(エアロゾル)が滞留しやすく、感染症のリスクが高まることも示されています。

出典)住居の換気に関する検証報告書 – 松戸市

快適で省エネな暮らしのための「高気密・高断熱」が、逆説的に「換気不足」による健康リスクを高める。このジレンマを解消する唯一の手段が、法規制によって義務付けられた「計画的な機械換気」なのです。

建築基準法で定められた24時間換気システムが対策の基本となる理由

現在、日本のすべての新築住宅には「24時間換気システム」が設置されています。これは、2003年(平成15年)7月1日の改正建築基準法により、 原則としてすべての建造物に導入が法的に義務付けられた ためです。

出典)24時間換気システムはなぜ義務付けられた?背景や物件の選び方! – クラモア

この法改正の主な目的は、高気密化する住宅における「シックハウス対策」でした。

建材や家具などから発散される可能性のある化学物質(ホルムアルデヒドなど)を、室内に滞留させずに継続的に排出することが求められています。ホルムアルdeヒドを発散する建材を使わない場合でも、持ち込まれる家具からの発散が考慮されるため、原則として機械換気設備の設置が必須とされました。

出典)鎌倉市/改正建築基準法に基づくシックハウス対策について

この法律で住宅の居室などに求められる換気性能は、換気回数「0.5回/h以上」と規定されています。

出典)改正建築基準法:関連法規|三菱電機 空調・換気・衛生

これは、「1時間あたりに部屋の空気の半分(50%)が入れ替わる」換気量に相当します。

重要なのは、この「0.5回/h」という数値が、あくまでシックハウス対策(化学物質の排出)を目的とした「最低基準」であるという点です。

皆様が直面している「結露・カビ対策(水蒸気の排出)」や、高気密住宅の「快適性の維持」という観点では、この最低基準を「どの方式で」達成するかが、住宅の品質と暮らしの質を決定づける極めて重要な選択となります。

住宅用換気システムの主な3種類(第一種・第二種・第三種)の仕組みと特徴

建築基準法が求める「0.5回/hの換気」を実現するための機械換気システムは、給気(外気の取り入れ)と排気(中の空気の排出)をどのようにおこなうかによって、主に3種類に分類されます。

それぞれの仕組みと特徴を理解することが、最適なシステムを選ぶための第一歩です。

【第一種換気】給気・排気ともに機械

「給気」と「排気」の両方を機械(ファン)でおこなう方式です。 空気の流れを最も確実に、かつ計画的に管理できるメリットがあります。 「熱交換ユニット」との組み合わせが一般的で、現代の高気密・高断熱住宅で最も注目されています。

【第二種換気】給気を機械

「給気」を機械でおこない、「排気」は自然におこなう方式です。 室内が正圧になり、外部からのホコリ等の侵入を防ぐため、病院の手術室やクリーンルーム等で採用されます。
一般住宅では、壁内結露の懸念から採用は稀です。

【第三種換気】排気を機械

「排気」を機械でおこない、「給気」は給気口から自然におこなう方式です。 浴室やトイレの換気扇が排気を兼ねることが多いです。 構造がシンプルで、導入コストが安価なため、日本の多くの住宅で採用されてきました。

これら3種類の特性をまとめると、一般住宅における現実的な選択肢は「第一種」と「第三種」の二択であることが分かります。

住宅用換気システム3種の動作原理と特徴の比較
換気方式 給気の方法 排気の方法 主な特徴(メリット) 主な特徴
(デメリット・利用シーン)
第一種換気 機械 機械 ・空気の流れを安定してコントロール可能
・熱交換システムと組み合わせやすい
・設置コスト(イニシャルコスト)が高い
第二種換気 機械 自然 ・室内が正圧になり、外部からの汚染空気の侵入を防ぐ ・壁体内結露の懸念があり、一般住宅では稀
・クリーンルーム等で使用
第三種換気 自然 機械 ・導入コストが安価
・ランニングコストが比較的低い
・気密性が低いと計画換気が おこなわれにくい
・外気(冷気・熱気)が直接流入する

(出典:24時間換気システムはなぜ義務付けられた?背景や物件の選び方! – クラモア24時間換気システムとは? 戸建でも必須?換気扇との違いや仕組みも紹介 – DAIKEN【メーカーの本音】第1種・第3種換気のデメリット!後悔しない … の情報を基に 当社にて作成 )

愛媛の結露・カビ対策に最適な換気システムの選び方4つのポイント

では、「第一種」と「第三種」、どちらが愛媛の結露・カビ対策、そして私たち コウヨウが目指す「高気密・高断熱住宅」に最適なのでしょうか。

その答えは、コストだけでは見えてきません。「省エネ」「快適性」「住宅性能」「維持管理」という4つの重要なポイントから、論理的に導き出すことができます。

ポイント1:省エネと快適性を両立する「第一種熱交換型」の優位性

結露・カビ対策という観点で、第三種換気が抱える最大の課題は、給気の「質」にあります。

第三種換気は、外気をそのまま室内に取り込みます(自然給気)。これは、愛媛の冬場には「冷たい空気」 を、夏場には 「熱く湿った空気」を、暖房や冷房で快適に保たれた部屋に直接引き入れることを意味します。

第三種換気は、室内の快適な温度(暖房・冷房された空気)をそのまま外部に排出するため、「熱損失が非常に大きい」という決定的な弱点があります。

これは、せっかく高気密・高断熱住宅で実現しようとした「省エネ性能」を、著しく損なってしまう行為です。

この「快適性」と「省エネ性」に関する分かりやすい実証実験のデータがあります。LIXILによる比較実証実験では、結露抑制効果は第一種・第三種ともに確認されましたが、快適性に大きな差が出ました。

実証実験に基づく換気方式の結露・快適性比較
比較項目 第一種(熱交換換気システム) 第三種(一般の換気扇)
結露抑制効果 ◎ 抑制効果あり ◎ 抑制効果あり
室内温度変化 ◎ ほぼ室温を維持 × 室温が2℃低下
快適性(体感) 快適性を維持 セーター1枚分の寒さを感じる
エネルギー効率 ○ (熱を回収し省エネ) × (熱損失が非常に大きい)

(出典:【LIXIL】エアマイスターの結露抑制実験 – YouTube【メーカーの本音】第1種・第3種換気のデメリット!後悔しない … の情報を基に 当社にて作成 )

この実験結果が示す事実は、非常に重要です。

「結露抑制」という点だけを見れば、どちらの方式でも効果はありました。しかし、第三種換気は、結露を防ぐことと引き換えに「快適性(室温)」と「省エネ性(熱損失)」を犠牲にしているのです。

高気密・高断熱住宅を「魔法瓶」に例えるなら、その価値は一度作った快適な温度を「維持」できることにあります。第三種換気は、その「魔法瓶のフタ」を常時開けっ放しにして、外気(冷気・熱気)を注ぎ込み続けるようなものです。

一方で、 第一種熱交換型 は、排気する空気の「熱」と「湿度」を回収し、給気する新鮮な空気に移してから室内に取り込みます。

これにより、結露を防ぎながら室温を維持できるのです。

これは、高気密・高断熱住宅の性能を損なうことなく、その価値を最大限に引き出すための、論理的な「最適解」と言えます。

ポイント2:住宅の気密・断熱性能(新築か既存か)に合わせて選定する

換気システムは、住宅の気密性能(C値※)と密接に関連しています。

(※C値(シーち)とは、住宅の気密性能を示す指標です。家全体の隙間面積(cm2)を延床面積(m2)で割った値で、数値が小さいほど高気密な家を示します。)

  • 低気密住宅(既存住宅など): 隙間が多い家で第三種換気を使うと、給気口以外にも多くの隙間から空気がバラバラに入り込むため、「計画換気が おこなわれにくい 」という欠点があります。
  • 高気密住宅(私たちが建てる新築など): 第一種換気は、給排気ともに機械制御であるため、「超高気密な家でも…安定して換気できる」強みがあります。

ここで、ZEH(Net Zero Energy House)基準との関連性がよく話題になります。

ZEH基準を満たす高性能住宅において、実は熱交換換気扇(第一種)は必須ではありません。非熱交換型(第三種など)でも、換気扇の「比消費電力(ひしょうひでんりょく)※」が基準値(0.3W/(m3/h)以下)を満たせば採用は可能です。

(※比消費電力とは、換気扇が1m3の空気を送風するために必要な電力を示す指標。数値が小さいほど省エネです。)

しかし、このZEHの基準は、あくまで換気扇「本体」の省エネ性(電気代)を問うものです。

ZEHが本来目指すべき、家全体の「冷暖房エネルギー(熱)」の削減という目的に対し、第三種換気は「熱損失が非常に大きい」ため、明らかに逆行しています。

したがって、住宅の性能(高気密・高断熱)が高ければ高いほど、その性能を無駄にしない「第一種熱交換型」が、賢明な選択となります。

ポイント3:フィルター性能とメンテナンスの容易さを確認する

換気システムは、その性能を維持するために定期的なメンテナンスが不可欠です。フィルターが目詰まりすると、換気効率が低下し、汚れた空気を室内に循環させることにもなりかねません。

特に第一種換気は、ランニングコストが高いと認識されがちですが、これには「電気代」と「フィルター交換費用」が含まれます。

また、第一種換気には大きく分けて「ダクト式」と「ダクトレス式」があり、それぞれメンテナンスの性質(手間、コスト)が異なります。

ダクト式第一種換気:
本体1台で家全体の換気を集中管理し、各部屋へダクト(配管)で空気を送る方式です。高性能なフィルターを本体1箇所で集中管理できるメリットがあります。 例えば、LIXILの「エコエア85」(ダクト式)の交換フィルター費用は、月額換算で約407円という試算データがあります。
(出典:24時間換気システム部品 – LIXIL の情報を基に当社にて作成)
ダクトレス式第一種換気:
各部屋の壁に小型の熱交換換気扇を個別に設置する方式です。ダクトが不要なため、リフォームでも導入しやすいメリットがあります。

この「月額約407円」といった具体的なフィルター費用は、第三種換気で失われる「熱(冷暖房費)」と比較検討するための合理的な判断材料です。これは「健康と快適性を維持するための合理的な投資」 と言えます 。

どちらの方式を選ぶかは、皆様のライフスタイルやメンテナンスに対する考え方によっても変わってきます。

第一種換気「ダクト式」 vs 「ダクトレス式」の比較
項目 ダクト式第一種換気 ダクトレス式第一種換気
仕組み 本体1台で集中管理。各部屋へダクト配管 各部屋に小型換気扇を設置。ダクト不要
メリット 高性能フィルターを1箇所で集中管理可能。給気口の設計自由度が高い リフォームでも導入が比較的容易。ダクト内汚染の懸念がない
デメリット ダクト内部の清掃が困難(専門業者依頼)。施工コストが比較的高い 壁の貫通部が増える。フィルター清掃の箇所が増え、手間がかかる
推奨(例) 新築時。メンテナンスの手間を1箇所に集約したい方 リフォーム時。ダクトの衛生面をシンプルに保ちたい方

(出典:各種メーカーカタログ等の情報を基に 当社にて作成 )

ダクト式は、ダクト内部の衛生状態を長期的にどう維持するかという課題があります。一方、ダクトレス式はフィルター清掃の手間が設置台数分だけ増えます。

私たちコウヨウは、お客様のライフスタイルやメンテナンスに対する考え方に基づき、双方のメリット・デメリットを透明性をもってご説明し、最適な方式をご提案します。

ポイント4:愛媛の気候と住宅事情を理解した施工実績で選ぶ

換気システムは、単体の機器性能だけでなく、住宅の断熱・気密性能と一体となった「システム」として設計・施工されて初めてその真価を発揮します。

愛媛県内の建築市場では、すでに「愛媛の気候風土」への適合性を重視する業者が存在します。

出典)愛媛の気候と暮らす家づくり|快適性と断熱性を両立する設計のポイント

したがって、業者を選ぶ際には、「愛媛の気候(多湿)」と「現代の住宅(高気密)」という二つの要素の相互作用を深く理解し、適切な換気計画を提案・施工できる専門知識と実績を持つパートナーを選ぶことが不可欠です。

【種類別】換気システム導入のメリット・デメリットと費用の目安

ここまでの分析を踏まえ、皆様が最終的な費用比較をおこなうために、第一種と第三種のメリット・デメリットをコストの観点から整理します。

第一種換気(熱交換型)のメリットと導入時の注意点

メリット:

  • 省エネ・快適性: 熱交換により、冷暖房の熱損失を最小限に抑え、快適な室温を維持します。
  • 計画換気: 高気密住宅でも、給排気を機械制御することで安定的かつ計画的な換気が可能です。

デメリット(コスト)と注意点:

  • イニシャルコスト(導入費): 第三種換気と比較して「倍程度のコストがかかる」可能性があります。
  • ランニングコスト(電気代): 給排気両方のファンを稼働させるため、第三種(月額数百円)と比較し、電気代が「月額数千円ほど」かかる場合があります。
  • ランニングコスト(フィルター代): 上記電気代に加え、定期的なフィルター交換費用(例:ダクト式で月額換算約407円)が発生します。

第三種換気のメリットと結露対策における限界

メリット(コスト):

  • イニシャルコスト(導入費): 導入費用が安価です。
  • ランニングコスト(電気代): 消費電力が小さく、「月々の電気代は数百円程度」と安価です。

限界(品質・リスク):

  • 熱損失(隠れコスト): 最大のデメリットです。「熱損失が非常に大きい」ため、高気密・高断熱住宅の省エネ性能を著しく低下させます。特に冬場は快適性も損なわれます。
  • 新たな結露リスク: 冷たい外気が直接流入するため、給気口のフィルターや周辺の壁が急激に冷やされ、「給気口内で結露する問題も発生している」と指摘されています。 これは、結露対策のために導入したシステムが、新たな結露源となる皮肉なリスクを示しています。

愛媛で換気システムを導入・交換する際の費用相場

「結局、第一種と第三種で、導入費用は具体的にいくら違うのか?」

この「価格の不透明性」こそが、皆様が最も不安を感じる点だと私たちは認識しています。

換気システムの導入費用は、建物の規模や「ダクト式・ダクトレス式」の選択、施工の難易度によって大きく変動するため、公的な「相場」として一概に提示することが非常に困難です。

私たちコウヨウは、この不透明性を解消するため、お見積もりの際には、お客様の設計プランに基づき、 第三種換気を採用した場合と、第一種熱交換型を採用した場合の、導入コストの具体的な差額 と、次に説明する 生涯コスト(TCO)の試算 を必ずご提示し、比較検討していただいています。

【愛媛特化】生涯コスト(TCO)試算:なぜ第一種は「賢い投資」なのか

TCO(トータル・コスト・オブ・オーナーシップ)とは、導入時の費用(イニシャルコスト)だけでなく、住み続けてから発生する光熱費やメンテナンス費まで含めた「生涯コスト」のことです。

冬の熱損失(暖房コスト):

前述の実証実験(「実証実験に基づく換気方式の結露・快適性比較」)では、第三種換気は快適な室温を2℃低下させました。愛媛の冬において、この2℃の差をエアコンで補い続けるための暖房コストは、30年、50年と住み続ければ、無視できない負担となります。

夏の湿気(除湿コスト) – 愛媛特有の課題:

さらに重要なのが、愛媛の多湿な夏です。第三種換気は、外の「熱く湿った空気」をそのまま室内に取り込みます。この不快な湿気をエアコンで除湿・冷却するためのエネルギーコストは膨大です。

第一種(全熱交換型)の優位性:

一方、私たちが推奨する「全熱交換型」の第一種換気は、「熱」だけでなく「湿度」も交換できるタイプです。

  • 冬は:排気する室内の「熱」と「適度な湿度」を回収し、外の冷たく乾燥した空気に移して給気します(過乾燥を防ぐ)。
  • 夏は:排気する室内の「冷気」と「乾燥した空気」を利用し、外の「熱く湿った空気」の熱と湿気を捨ててから給気します(除湿負荷を減らす)。

この年間を通じた冷暖房・除湿のトータルコスト(TCO)で比較すれば、第一種の導入費用は、数年~十数年で回収可能な「未来の快適性と家計への賢い投資」であると、私たちは試算しています。

愛媛で換気システムの施工・相談ができる優良業者の見極め方

換気システムは、機器の選定以上に、住宅全体の性能を理解した上での「施工」と「設計」がその効果を左右します。皆様が不利益を被らないよう、公的機関の警告に基づき、優良な業者と注意すべき業者の見極め方をご紹介します。

地域密着型でアフターサポート体制が充実

換気システムは設置して終わりではありません。フィルター清掃や定期点検など、長期的なメンテナンスが不可欠です。すぐに相談できる距離に拠点があり、アフターサポート体制が充実している地域密着型の業者は、信頼できるパートナーの第一条件です。施工実績や保証内容、会社の所在地が明確であるかを確認しましょう。

住宅の断熱・気密工事と合わせた総合的な提案が可能

換気は、断熱・気密と一体で考えるべき「システム」です。「換気だけ」を単体で 提案する のではなく、住宅全体の断熱性能(UA値)や気密性能(C値)を測定・把握した上で、なぜその換気システムが必要なのかを論理的に説明し、総合的な提案ができる業者を選んでください。

結露・カビ対策の専門知識と施工事例を提示

「高気密住宅は結露しやすい」といった表面的な知識ではなく、「なぜ結露するのか」「どの換気方式がその熱損失を防ぐのか」といった専門知識を持ち、具体的な性能数値や施工事例(写真・データ)を提示できることが重要です。

一方で、消費者庁や(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)は、悪質なリフォーム事業者の手口として以下のような点に警告を発しています。

  • 突然訪問し、「無料点検」などで不安を煽る。
  • 「不具合を見つけた」と不要な追加工事を迫る。
  • 「補助金が利用できる」と勧誘し、契約を急がせる。
  • 口頭のみで契約し、高額な費用を請求する。

皆様が抱く「不信感」を解消するため、私たちは「客観的な信頼性」と「透明性」を持つことが最も重要だと考えています。

優良業者と悪質業者の見極めチェックリスト
チェック項目 優良な提案(私たちが目指す姿) 危険な兆候(消費者庁等の警告)
提案のきっかけ 顧客からの問い合わせに基づき、詳細なヒアリングをおこなう。 突然訪問し「無料点検」などで不安を煽る。
提案内容 断熱・気密と換気を連動させた「システム」として総合的に提案する。 「不具合を見つけた」と不要不急な工事を次々と追加する。
根拠 “性能数値(C値, UA値)や施工事例(写真・データ)を提示する。” 根拠を示さず「今すぐやるべき」と緊急性を煽る。
費用・契約 見積書や契約書が詳細かつ明確である。 契約書がなく口頭のみで、後から高額請求する。
補助金 利用可能な制度を正確に説明し、対象外のものも正直に伝える。 「補助金が使えるからお得」と、補助金をフックに契約を急がせる。

(出典:各種公的機関の情報を基に 当社にて作成 )

私たちコウヨウは、愛媛の地で長年にわたり、「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 8年連続受賞」という客観的な実績に裏打ちされた 高気密・高断熱・省エネ・耐震 の家づくりを追求してまいりました。

私たちは、換気システムを単なる「機械」とは考えていません。それは、高性能住宅の「快適性」と「省エネ性」という心臓部を守り、ご家族の健康を末永く支えるための「最適解」の一部です。

「性能」と「デザイン」の両方を高いレベルで両立させたいとお考えの「知的な価値探求者」である皆様にとって、私たちは透明性の高い情報を提供する「知的パートナー」でありたいと願っています。

当サービスがご提案する高性能住宅と換気システムの詳細な仕様や、皆様の暮らしに合わせた具体的な設計思想については、ぜひこちらの資料をダウンロードしてご確認ください。

換気システムの導入効果を最大化する日常的な結露・カビ予防策

24時間換気システムは、導入して終わりではありません。その効果を最大化し、健康被害を防ぐためには、日常的な運用とメンテナンスが非常に重要です。

定期的なフィルター清掃と専門業者によるメンテナンス

24時間換気システムは、「24時間365日」稼働させ続けることが前提です。スイッチを切ると換気不足を招きます。 定期的な掃除が必須 で、特に給気口のフィルターは目詰まりしやすい部分です。 ご自身での清掃に加え、数年に一度は専門業者によるダクト内部の点検や清掃をおこなうことが重要です。

窓開け換気との上手な併用方法とタイミング

「24時間換気があるから窓開け不要」と考えるのは誤りです。 料理中、お風呂上がり、室内干し中など、一時的に大量の湿気が発生する場合、24時間換気だけでは排出しきれないことがあります。 厚生労働省も窓開け換気の併用を推奨しています。 局所的な湿気は窓開けで素早く排出し、ベースの空気質は24時間換気に任せるのが理想です。

湿度計を設置して室内湿度をコントロールする習慣

結露・カビ対策の第一歩は、湿度を「可視化」することです。 湿度計 をリビングや寝室に設置する習慣をつけましょう。 カビは湿度が60%を超えると活発になると言われています。 特に愛媛の梅雨時や夏場、冬の室内干し中は湿度計を確認し、必要に応じて除湿機などを併用することが効果的です。

愛媛の換気システム導入に関するよくある質問(FAQ)

最後に、換気システムの導入に関して、皆様からよく寄せられるご質問についてお答えします。

Q. 既存の住宅(リフォーム)でも換気システムは後付けできますか?

A.はい、技術的には可能です。

ただし、特に第一種換気システム(各部屋にダクトを配管するタイプ)の場合、新築時と異なり、既存の住宅では天井裏や壁の中にダクトを通すスペースを確保することが物理的な制約となる場合があります。

その点、 ダクトレス式の第一種換気 は、リフォームでも導入しやすい方式として注目されています。

住宅の構造や断熱・気密性能によって最適な方法は異なりますので、リフォームでの導入をお考えの場合は、必ず専門業者による現地調査と診断を受け、ご自宅の状況に合わせた最適なプランをご相談ください。

Q. 換気システムの電気代はどれくらいかかりますか?

A.ランニングコストのうち、電気代の目安は機種や住宅の大きさによって異なりますが、一般的に以下のように言われています。

  • 第三種換気: 「月々の電気代は数百円程度」
  • 第一種換気: 「月の電気代が数千円ほど」

ここで重要なのは、この電気代の「差額」だけを見ないことです。

第一種熱交換型(特に全熱交換型)は、電気代は第三種よりかかりますが、家全体の「冷暖房費(熱損失)」と「除湿コスト」は大幅に下がることが期待できます。

第三種はその逆で、電気代は安いですが、「熱損失による冷暖房費の増加」と「除湿負荷の増加」という目に見えにくいコストが発生しています。トータルの光熱費と生涯コスト(TCO)で比較検討することが重要です。

Q. 導入から施工完了までの期間はどれくらいですか?

A.新築の場合は、家全体の工期の中で設計・施工されるため、換気システム単体での工期という概念はあまりありません。

リフォームの場合は、工事の規模や「ダクト式・ダクトレス式」の選択によって大きく変動します。ダクトレス式であれば数日程度、ダクトを配管する大掛かりな工事の場合は数週間かかることも予想されます。

これはケースバイケースですので、必ず事前に業者へ確認し、工程表を提示してもらうようにしてください。

Q. 施工後に利用できる補助金や助成金はありますか?

A.これは皆様の関心が非常に高い項目であり、同時に最も正確な情報提供が求められる部分です。

まず、「補助金が使える」と契約を急がせる悪質な手口には十分ご注意ください。

2025年時点での国の主要な補助金(住宅省エネ2025キャンペーン)を見てみましょう。

住宅省エネ2025キャンペーンにおける「換気」関連補助金の対象状況(一例)
補助金事業名 補助対象となる「換気」関連設備 補助対象の可能性(要件確認)
子育てエコホーム支援事業 ・空気清浄機能・換気機能付きエアコン
・浴室乾燥機
・ 第一種熱交換換気システム(本体)
・ 第三種換気システム(本体)
(※単体での補助リストには記載なし)
先進的窓リノベ2025事業 (対象外) ※窓・ドアの断熱改修が対象 (換気設備全般)
給湯省エネ2025事業 (対象外) ※高効率給湯器が対象 (換気設備全般)

(出典:住宅省エネ2025キャンペーン【公式】空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置【リフォーム … の情報を基に 当社にて作成 )

この表が示す通り、2025年11月現在、国の主要な補助金において、「換気システム本体」が 単体で補助対象として明確にリストアップされているケースは限定的 です。

「換気システムの導入だけで補助金が出ます」と安易に 謳う 業者には注意が必要です。

ただし、これは単体導入の場合です。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様の住宅など、 住宅全体の省エネ性能を高める一環 として高性能な換気システム(第一種熱交換型など)を導入する場合、 補助金の必須要件や加算要件 として組み込まれているケースがあります。

利用できる制度は、皆様の住宅の状況や工事内容によって複雑に変わります。私たちコウヨウは、皆様の「知的パートナー」として、どのような補助金が活用できるか、透明性をもって正確にご提案します。まずはお気軽にご相談ください。